一次元チャネルを有するホウ素系化合物の機能性材料としての可能性
Project/Area Number |
20045004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
武田 雅敏 Nagaoka University of Technology, 工学部, 准教授 (30293252)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ホウ素系化合物 / 一次元チャネル / 電気伝導率 / ゼーベック係数 / マグネシウム四ホウ化物 |
Research Abstract |
ホウ素のフレームで形成されたナノ空間に金属元素が内包されたホウ化物として,MgB_4についてその物性,特に熱電特性について調査した.MgB_4相は結晶構造に関する報告はあるものの,その物性に関する報告はない.本年度は異なる条件でMgB_4焼結体を作製し,その物性を調べた. 透過電子顕微鏡下でのEDS等による分析から,作製したMgB_4相内に酸素が存在していることが示された.結晶中のどの位置に酸素が存在しているかは明確になっていないが,ホウ素と何らかの結合を作っていることが示唆されている.ナノ空間の内壁に位置している可能性がある.本研究では,反応焼結によりMgB4焼結体を作製しており,酸素はこのプロセスで入っていることになる.そこで,焼結条件(焼結時の保持時間)を変えて試料を作製し,その特性を測定した.作製した試料にはMgOとホウ素リッチなMg-B化合物を若干含むものの,MgB_4を主相とする多結晶体を得た.全ての試料で正のゼーベック係数を示しp型材料であった.電気伝導率は焼結時間の短いものでは半導体的な温度依存性を示したが,焼結時間が長い試料では金属的な温度依存性を示すことが明らかになった.酸素が導入されたことでホールドーピングが行われたものと考えている. 一方,ホウ素フレームのナノ空間に金属が内包されたホウ化物として,YbB_6について単結晶を用いた実験を行ったこれまで金属六ホウ化物はn型を示すものが報告されているが,YbB_6において金属元素を欠損させることを自的とした条件で単結晶を作製することでp型を示すことが明らかになった.金属元素からホウ素フレームへの電子の供給量が減り,そのためp型を示したものと考えている. MgB_4,YbB_6ともに,熱電材料としての電気的特性(ゼーベック係数,電気伝導率)は非常に良好であり,熱電変換への応用が期待される.
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)