Project/Area Number |
20046009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
遠山 貴己 (遠山 貴巳) Kyoto University, 基礎物理学研究所, 教授 (70237056)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | フラストレーション / 強相関電子系 / 電荷ダイナミクス |
Research Abstract |
フラストレーションがある程度存在すると思われる鉄超伝導体の母物質(反強磁性体)の電荷ダイナミクスに関する研究を行った。反強磁性秩序発生後のバンド間励起による光学伝導度は実験結果をよく説明する。実験との比較から、発生する磁気モーメントは第一原理計算から予想される値よりもかなり小さいことが分かった。反強磁性状態でのフェルミ面を観測する手法についても提案を行った。この他、昨年度開発した低温領域で有効な有限温度密度行列繰り込み群法を用いて、磁気的にフラストレートした一次元量子スピン系ジグザグXY鎖のベクトル・カイラリティーの相関関数を調べた。特に、カイラリティー秩序がある領域とそれがないダイマ-状態領域の静的・動的カイラリティー相関関数を計算し、その温度変化の特徴を明らかにした。その結果、絶対零度でのカイラリティー秩序はわずかな温度で破壊されること、ダイマ-状態では温度上昇と共にカイラリティー相関が増大することを見いだした。この成果は現在、査読有りの学術誌に投稿中である。また、上記模型にキャリアをドープした際の電荷ダイナミクスを光学伝導度のランチョス法に基づく厳密対角化計算から明らかにした。基底状態の性質を反映した特量的な電荷ダイナミクスの存在が明らかとなった。さらにXXZ模型に拡張したときの変化についても調べた。XY模型と定性的な違いはないことが分かった。この成果を公表するため現在、論文作成にむけてまとめているところである。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)