Project/Area Number |
20047008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 勝久 Kyoto University, 工学研究科, 教授 (80188292)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 酸化物 / 薄膜 / 強磁性 / 欠陥 / 構造解析 / 非晶質 / ユウロピウム / 界面 |
Research Abstract |
スピントロニクスへの応用を目指したMnドープZnOやCoドープTiO_2など磁性不純物を含む酸化物半導体の強磁性の起源に関する研究の過程で、HfO_2やSc^<3+>を添加したZnOなど磁性イオンを含まない酸化物が作製条件によっては室温で強磁性的挙動を示すことが明らかにされた。これらの物質では酸素欠陥に捕獲された不対電子が強磁性を担うとするモデルがあるが、微視的な構造に関しては不明な点が多い。本研究では、このような欠陥強磁性酸化物を薄膜として合成し、強磁性的挙動を導く機構を解明する目的で実験を遂行した。さらに、「機能元素のナノ材料科学」の範疇において磁気モーメントを持つ元素(広く点欠陥も含む)を機能元素として捉え、ナノ構造を薄膜に特化し、準安定相が凍結された薄膜における強磁性の実現と結晶構造に基づく機構の解明、複数の価数のカチオンからなる固溶体薄膜の合成、磁性の評価、精密な構造解析に基づく磁気的性質の説明へと研究を展開した。まず、パルスレーザー堆積法を用いて作製した非晶質TiO_2薄膜が結晶と同様の室温強磁性を示すことを見いだした。作製条件が磁気的性質に及ぼす影響を調べることにより、基板と薄膜の界面付近に局在したTi^<3+>と酸素欠陥由来のスピンが強磁性の起源であり、Ti^<3+>とF^+中心の間に形成される束縛磁気ポーラロンがスピンの強磁性的配列を安定化すると推測した。また、磁性半導体の一種であるイルメナイト-ヘマタイト固溶体薄膜において、X線回折パターンは無秩序相に対応しているにもかかわらず、磁化の温度依存性がフェリ磁性的となる場合があり、これまでその原因が不明であったが、本研究のHAADF-STEMを用いた詳細な結晶構造解析により、X線回折からは無秩序相と思われていた薄膜がantiphase boundaryを含む秩序相からなり、秩序相がフェリ磁性的な挙動に寄与していることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)