Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
孤立状態にある蛋白質の多電荷イオンと、種々のアミン等のH^+親和力(PA)の大きな気体分子との衝突反応に関して研究した。エレクトロスプレーイオン化法によって孤立状態にあるlysozyme, cytochromec, myoglobin, hemogiobin, albumin, ubiquitin, angiotensin I, bradykinin等の蛋白質・ペプチドの多電荷イオンを生成させた。生成したイオンを特定の電荷数で選別した後、衝突反応セルに導き、蛋白質イオンと気体分子とのH^+移動反応について検討した。PAの大きな気体分子を、標的分子として衝突反応セルへ導入した。標的分子として1-propylamine, 1-buthylamine, pyridine, tert-butylamine, diethylamine, dipropylamine, triethylamineを用いた。蛋白質イオンを衝突反応セル中に数10ms間トラップして、標的分子と多重衝突させた。H^+移動反応によって生成したイオン種を質量分析し、検出した。特に、プロトン移動の反応温度依存性を測定した。その結果、温度変化に伴って、蛋白質イオンの立体構造が複数の準安定な異性体に転移することが分かった。以上のことから、プロトン移動の反応過程が蛋白質イオンの内部温度と強い相関を持つことを解明した。すなわち、生体分子の協同的な挙動を、原子・分子1個1個のレベルで直接観測し、気相中の衝突反応による、H^+移動の反応速度をひとつの指標として、生体分子の集団的な挙動を素過程に分解した。そして、孤立状態にある蛋白質イオンの立体構造と反応に関して詳細に理解することができた。その結果、生体分子の協同的・組織的な相互作用に関する詳細な知見が得られた。
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