Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
本年度は以下の実験を実施した. 1.Nrf2によって構成される核内複合体の精製・同定 : Nrf2が形成する転写複合体を精製するために,FLAGタグを融合したNrf2タンパク質をテトラサイクリン誘導的に発現する細胞を作製し,抗FLAG抗体によるアフィニティー精製を行った.現在,検出されたタンパク質をLC/MSにより決定中である. 2.クロマチンリモデリング因子BRG1のNrf2転写活性化における機能解析 : 以前我々は,酸化ストレスによるNrf2依存的遺伝子発現において,BRG1がHO-1遺伝子の発現を選択的に増強することを見出した.その選択的発現機構の詳細を調べるために,siRNAによりBRG1発現を抑制し,遺伝子制御領域へのNrf2結合をChIPにより解析した.その結果,HO-1制御領域特異的にNrf2結合が低下していた.この結果から,BRG1がNrf2のDNA結合に関与することがわかった. 3.転写を活性化するZ-DNAのNrf2依存的形成機構の解析 : BRG1はプリンーピリミジン塩基配列を左巻きDNAであるZ-DNA構造に変換することが知られている.また我々はHO-1遺伝子発現制御領域にZ-DNA形成配列を見出した,そこで,細胞内でのZ-DNA形成を検討するために,Z-DNA結合タンパク質とEGFPの融合タンパク質を発現する構築を作製した.現在,HO-1発現制御領域についてZ-DNA形成を検討中である. 4.マクロファージにおけるCD36遺伝子の発現調節機構解析 : CD36は長鎖脂肪酸や酸化LDLの受容体である.またNrf2ノックアウトマウス由来のマクロファージでは,Nrf2活性化剤によるCD36遺伝子の発現誘導は消失しているが,その制御機構は明らかでない.我々はまずマクロファージにおけるCD36遺伝子の第1エクソンを決定した.つづいてその制御領域について検討し,Nrf2が結合するARE配列を見出した.さらにChIPおよびレポーター解析により,Nrf2依存的CD36遺伝子の発現誘導に必要なARE配列を決定した.以上の結果,マクロファージにおいてNrf2がCD36遺伝子の発現制御領域に直接結合し,その転写を誘導することを明らかにした.
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