Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
膜輸送を司る低分子量G蛋白質Rabは、Rasスーパーファミリーの中で最大のサブファミリーを形成し、哺乳動物においては60種類以上の異なるアイソフォームが存在する。RabはGTPを結合した活性化型とGDPを結合した不活性化型の二つの状態をとり、活性化型のGTP-Rabがエフェクター(effector)と呼ばれるパートナー分子と特異的に結合することにより膜輸送を促進する。哺乳動物に存在する60種類のRabはそれぞれ特異的なエフェクター分子と結合することにより、それぞれ特異的な膜輸送を促進し、様々な生命現象に関与するものと推察されている。Rabを介する生命現象の分子基盤を解明する第一のステップとしては、特異的なエフェクター分子の同定が最も重要と考えられる。そこで本研究では、当研究室で独自に開発した「Rabの網羅的解析ツール(Rab panel)」を用い、マウスに存在する全てのRabアイソフォームを対象にエフェクター分子の網羅的スクリーニングを行うとともに、同定された分子のRabエフェクタードメインの決定に着手した。具体的には、Rab1〜30の活性化型固定化変異体をbaitに酵母two-hybrid法により、20種類以上の新規Rabエフェクター候補分子の同定に成功した(Mol. Cell. Proteomics(2008)7 : 1031-1042)。得られた候補分子のRab結合ドメインの解析から、多くのものではcoiled-coil領域がRab結合ドメインとして機能するという新たな知見を得ることができた。また、得られた候補分子のRab結合特異性の解析から、RabとRabエフェクターの結合関係は必ずしも1:1ではなく、同定された候補分子の半数以上のものは複数のRabアイソフォームと結合するという意外な事実が明らかになってきた。
All 2009 2008
All Journal Article (14 results) (of which Peer Reviewed: 12 results) Presentation (3 results)
Genes Cells 14
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Biochem. J 141
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Mol. Biol. Cell 19
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130004053865
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Diabetologin 51
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J. Biol. Chem 283
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Am. J. Pathol 173
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蛋白質核酸酵素増刊号「メンブレントラフィックの奔流一分子から細胞,そして個体へ」 53
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