Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
私たちが同定した低分子量G蛋白質M-Ras, RhoD, RhoJ(RhoT)およびRasの標的蛋白質として同定したDA-Rafについて,細胞分化のシグナル伝達機構を詳細に解明し,またマウス発生過程と成体でみられる形態形成や再生における機能を明らかにすることを目的とした. M-Rasは骨に高発現しており,BMP-2シグナルにより発現誘導され,p38 MAPKとJNKの活性化を介して骨芽細胞分化を誘導していることをこれまでに明らかにしてきた.さらにM-Rasは,筋ジストロフィーのモデルであるmdxマウスの骨格筋にみられる石灰化の領域に,骨芽細胞分化にかかわる蛋白質とともに発現し共局在していた.したがってM-Rasは異所性の石灰化にもかかわっている可能性が示された. RhoDによって形成される独自の細胞突起は,RhoDがFGFによって活性化されると,FGFの放出される方向に向かって形成されることを明らかにした.これらの突起は基質に接着しておらず柔軟に動き,また突起内を小胞が細胞体に向かって移動することが示された,これらの結果から,RhoDによって形成される細胞突起は,形態形成などにおいて機能するcytonemesに相当するものであることが明らかになった. マウスの形態形成および腫瘍形成におけるDA-Rafの関与を明らかにするために,DA-RafのKOマウスを作製した.これらのKOマウスは成長が遅れ,からだが矮小であった.また平衡と行動の異常を示し,生後7-21日で死亡した.KOマウスの小脳は形態が異常で,外顆粒層細胞は内顆粒層へ移動せず,外顆粒層に残存していた.この小脳の異常が平衡と行動の異常の原因であると考えられる.また心臓では左心室の肥大がみられた.一方,肺胞の細胞ではMEK活性が亢進しており,肺胞形成が進行しなかった.KOマウスでは肺出血が起こり,これが早期に死亡する原因であると考えられる.
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