Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
染色体DNA鎖切断の修復には多種多様な経路が関わっているため,さまざまなタイプのDNA鎖切断に対しての修復における各経路の役割や制御機構についてはよくわかっていない.本研究では,我々が最近開発したヒトNalm-6細胞を使った逆遺伝学的解析システムを利用して,染色体DNA鎖切断修復に関わる遺伝子のノックアウト細胞を系統的に作製し,得られた変異細胞の表現型を解析することにより,DNA鎖切断の生成機構やこれに対する応答・修復機構をヒト細胞で解析することを目的として研究を行った.本年度は,昨年度に引き続き,DNA鎖切断修復に関わる遺伝子を系統的にノックアウトしホモ変異細胞の取得を行った.得られたホモ変異細胞の解析から,相同組換え経路と非相同末端連結(NHEJ)経路との相対的役割に関するいくつかの知見を得ることができた.また,新規抗がん剤である化合物NK314や鉄キレート剤Dp44mTの細胞内ターゲットがトポイソメラーゼIIαであることを示すとともに,こうした薬剤や放射線類似作用物質が細胞内での非相同組換えに及ぼす影響を詳細に解析した.一方,NHEJ経路で働くと考えられているエンドヌクレアーゼArtemisがNHEJ非依存性の機能をもつ可能性が示唆されたため,他遺伝子との二重変異株の作製を通じた遺伝学的解析にも着手した.
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