材料工学的アプローチによる人工生体膜ラフト構造の再現
Project/Area Number |
20056012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇治原 徹 Nagoya University, 工学研究科, 准教授 (60312641)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 脂質二重膜 / 半導体デバイス / 相分離構造 |
Research Abstract |
本研究では、近年注目されている生体膜中のラフト構造の形成を一種の材料の相分離構造と見なして、材料工学的アプローチにより固体基板上の平面人工生体膜に再現し、ラフト構造形成における物理的メカニズムの役割を明らかにすることを目的とした。さらに、人工生体膜に膜タンパク質を導入することで、再現したラフト構造と膜タンパク質の凝集・輸送との相関解明を試みた。 昨年度までの研究において、局所的な熱刺激や電界印加によって物理的に相分離構造が形成されることを示してきた。本年度は、さらに以下のことを行った。 (1) 膜タンパク質入り平面脂質二重膜の成膜技術の確立: これまでの研究から、脂質組成、イオン強度、成膜温度などが、脂質分子間相互作用に影響を与えて、脂質膜形成に大きな影響を及ぼすことがわかっている。本研究ではその経験を生かして、特にイオン強度と膜組成の調整により、固体基板上へABCトランスポーターを含む膜形成を実現した。 (2) 膜タンパク質入り平面脂質二重膜におけるラフト構造の観察と制御: 前述の方法で作成した膜に関して、AFMにより相分離構造と膜タンパク質の観察に成功した。 (3) ラフト構造と膜タンパク質の位置関係の観察:いまだ限定的ではあるが、相分離構造と膜タンパク質の位置が同じである場所が観察された。しかし、データ量が不十分であり、今後さらに検討する必要がある。しかしながら、本結果は当初目標を実現できる可能性を十分示すものであると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)