Project/Area Number |
20056032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
佐竹 伸一郎 National Institute for Physiological Sciences, 生体情報研究系, 助教 (30360340)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥5,100,000 (Direct Cost: ¥5,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 介在ニューロン / 顆粒細胞 / 興奮性シナプス後電流 / ペアパルス増強 / 減衰時定数 / 拡散 / スライスパッチクランプ法 / グルタミン酸輸送体 / プルキンエ細胞 / バーグマングリア / 登上線維 / 長期増強 |
Research Abstract |
フィードフォワード抑制回路(顆粒細胞-分子層介在ニューロン-プルキンエ細胞)を介した小脳情報処理プロセスにおいて、異種シナプス間拡散性クロストークが担う生理的役割を明らかにするため、顆粒細胞-介在ニューロン間興奮性シナプス伝達の特性を調べている。その過程で、顆粒細胞(上向性線維)の2回連続刺激に伴い、介在ニューロンから記録される興奮性シナプス後電流(EPSC)の2回目EPSCの振幅値と減衰時定数が、一過性に増大する現象を見出した(ペアパルス増強)。予備的に実施した薬理学実験の結果から、(1)振幅増大はシナプス小胞の放出確率と放出多重性の増大、(2)減衰時間増大は放出多重性増大に伴いシナプス外領域に拡散した伝達物質グルタミン酸の蓄積により引き起こされたと推定している。しかし、EPSCの振幅や減衰時間が、神経伝達物質の放出多重性・拡散性の変化を介したシナプス前性機構によって制御されるという現象はこれまで報告がなく、その分子基盤や生理的な意義は全く不明である。こうした背景に基づき、神経活動に依存してEPSCキネティクスが変化するメカニズムを追究すると共に、EPSC減衰時間の制御にグルタミン酸輸送体が関わる可能性について検討を行った。はじめに、EPSCキネティクスを初期相、ピーク相、減衰相に分けて詳しく解析した。2回目EPSC(刺激間隔:30ミリ秒)では、刺激からEPSC開始までの反応潜時が1回自EPSCよりも顕著に短縮していた。一方、EPSC開始点からピークまでの到達時間は延長していた。さらに、二重指数関数を適用して、EPSC減衰相を急速減衰成分(τ_<fast>)と緩徐減衰成分(τ_<slow>)に分けて解析し、減衰時間のペアパルス増強はτ_<slow>の構成比率(%_<slow>)の増大によって惹起されていることを明らかにした。また、グルタミン酸輸送体阻害薬TBOAは、τ_<slow>と%_<slow>を共に増大させて、減衰時間のペアパルス増強を昂進した。一方、AMPA受容体の低親和性競合阻害薬γ-DGGは、%_<slow>を減少させて減衰時間のペアパルス増強を減弱した。こうした観察結果から、連続刺激による多重性放出促進に伴い顆粒細胞終末から大量に放出されたグルタミン酸は、輸送体タンパク質による回収を逃れて近傍のシナプスやペリシナプス領域に存在するAMPA受容体に低濃度で作用することにより、EPSC減衰時間の増大を引き起こしたと結論した。
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