色素幹細胞運命決定における細胞外環境の役割とその分子基盤の解明
Project/Area Number |
20057007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University (2009) Kanazawa University (2008) |
Principal Investigator |
西村 栄美 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 教授 (70396331)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥7,400,000 (Direct Cost: ¥7,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | 幹細胞 / 色素細胞 / 皮膚 / ニッチ / 微小環境 / TGF-b / MITF / 自己複製 |
Research Abstract |
色素幹細胞の子孫細胞は、いったんニッチ(ニッシェ)を離れても、空のニッチに再び入ると未熟な状態で維持され、以後、再び色素幹細胞として機能できる。このことから、ニッチが幹細胞の運命を優勢に決定しうることを明らかにしてきたが、その分子メカニズムは不明である。これまでに色素幹細胞側で必須となるマスター制御因子としてMITF転写因子を同定したが、細胞外から色素幹細胞の運命を制御するメカニズムについては明らかではなかった。本研究課題に於いて、我々は色素幹細胞の居場所であるバルジ領域においてTGF-β1/2、およびXVII型コラーゲンの発現を有意に認めることを見出した。色素細胞系譜においてTGFb受容体のTGFbRIIを特異的に欠損するマウスを作製すると、色素幹細胞がニッチ内において異所性に分化し未分化性を維持できなくなり、幹細胞が枯渇するため白髪になることを見出した。このことから、ニッチ由来のTGF-βシグナルが色素幹細胞の維持に必須であることが判明した。そのメカニズムとして、色素細胞の発生分化のマスター転写因子MITFの発現抑制を介して色素幹細胞の未分化性維持を行うと同時に、静止期の導入を促進していることが明らかになった。また、XVII型コラーゲンの欠損マウスを解析したところ、色素幹細胞の維持不全により、毛が生えかわるごとに次第に白毛化をきたすことを確認した。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)