成体脳内における新生ニューロンの長距離・高速移動を可能にする細胞外環境
Project/Area Number |
20057023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
澤本 和延 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 教授 (90282350)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 再生医学 / 神経科学 / 脳・神経 / 脳神経疾患 / 発生・分化 / 脳袖経疾患 |
Research Abstract |
脳室下帯で産生された新生ニューロンが成体脳組織内を移動するメカニズムについて、アストロサイト・血管との相互作用に着目して研究を行った。 脳室周囲で産生されている新生ニューロンは、アストロサイトによって形成される経路を嗅球へと移動している。昨年度までの研究で、新生ニューロンの分泌するSlitタンパク質とアストロサイト上に発現する受容体Roboが、その相互作用に関与していることを示唆するデータを得た。本年度は、このアストロサイトを単離培養し、新生ニューロンとの相互作用をタイムラプス撮影により詳細に解析した。新生ニューロンがアストロサイト上を移動するとき、アストロサイトの膜の形態が変化すること・この動的なアストロサイトの形態変化が、アストロサイトへのRoboのドミナントネガティブ体の導入によって抑制されることを見出した。これらの結果から、新生ニューロンの移動において、自身が分泌するSlitタンパク質によって、その移動経路のアストロサイトの形態を制御している可能性が示唆された。 新生ニューロンは、脳梗塞などの傷害後には、傷害部へと移動してニューロンを再生している。これまでの研究により、その移動過程で新生ニューロンが血管を足場としていることを明らかにしてきた。虚血などの傷害は、血管新生を促進することが知られており、本年度は新生ニューロンの移動の足場としての新生血管の役割について検討を行った。中大脳動脈閉塞術によって脳梗塞を惹起したマウスに、持続的にBrdUを投与して新生血管を標識した。標識された新生血管と既存の非標識血管について、新生ニューロンが足場としているかを定量的に解析したところ、新生血管は既存の血管と同等の足場としての機能を有することが明らかになった。 本研究により、新生ニューロンの成体脳内の移動における、周囲の細胞との相互作用の重要性・そのメカニズムの一端が明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(40 results)