抗リン酸化ペプチド抗体を用いた細胞周期制御機構の可視化
Project/Area Number |
20058009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 宏 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60232758)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊原 正喜 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (50391868)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | 生物・生体工学 / 分析化学 / 蛋白質 / 可視化 / 細胞信号伝達 / 分析科学 |
Research Abstract |
本年度は(1)FRET法による細胞骨格微小管蛋白ビメンチンのリン酸化検出プローブの最適化,ならびに(2)抗体可変領域の抗原による安定化を利用した新規イメージング法の開発を目標に研究を行った。 (1)では前年度に得られた、細胞周期によりそのリン酸化が制御されるビメンチンのセリン71リン酸化認識抗体TM71発現系を用い、オープンサンドイッチ(OS)法によるリン酸化検出を試みた。VH/VL相互作用に影響を与えるH39への変異導入によりOS-ELISAの応答性(S/B比)が顕著に向上したため,この変異体VHならびにVLをTrx融合蛋白質として酸化的細胞質を持つ大腸菌で発現させ,それぞれAlexa488とRhodamineXで蛍光ラベルし混合して試験管内で蛍光スペクトルを測定した。この結果,抗原ペプチド依存的な最大18%の蛍光強度比変化が得られた。これを電気穿孔法によりU251細胞に導入し,高感度カメラを用いて蛍光顕微鏡観察したところcleavage furrowへの局在と若干のFRET比の変化が見られた。現在各種条件で追試を行っている。 (2)では,抗原結合により蛍光強度が増強する新規蛍光ラベル化抗体"Quenchbody"の開発に成功した。具体的には,無細胞タンパク質合成系を用いて抗体VHのN末端近傍に蛍光ラベルをピンポイント導入することで,複数の低分子抗原認識FvあるいはscFvにおいて共存する抗原濃度依存的に蛍光強度が最大6倍増大する現象を発見した。メカニズムは現在解析中であるが,VH/VL界面に存在する複数のTrp残基の変異で抗原非存在時の蛍光強度が増大することから,これらの残基による蛍光のクエンチが重要であり,これが抗原結合に伴うFv安定化により解消することが考えられる。FRET法に比べて応答性に優れるこの方法を,今後各種細胞内リン酸化検出系に応用していきたい。
|
Report
(2 results)
Research Products
(13 results)