Project/Area Number |
20058012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
天野 睦紀 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90304170)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | シグナル伝達 / プロテオーム / 酵素 / リン酸化 |
Research Abstract |
本研究では、細胞増殖や分化に係る細胞内シグナル伝達に中心的な役割を果たす蛋白質リン酸化に焦点をあて、蛋白質リン酸化酵素の基質の同定を効率的に行い、シグナルネットワークの全体像を理解することを目的としている。 このために、蛋白質リン酸化酵素の触媒領域を用いたアフィニティーカラムクロマトグラフィー法とショットガンLC-MS/MS解析を組み合わせた方法で相互作用蛋白質の網羅的解析を行い、基質のスクリーニングを行った。細胞質分裂制御に関与するRho-kinaseの触媒領域に対してラット脳ライセートを出発材料として用いて解析を行った。カラムの溶出画分をLC-MS/MS解析に供し、相互作用蛋白質の同定を行ったところ200以上の蛋白質を同定することが出来た。同定されたRho-kinaseの相互作用蛋白質の中には、これまでに報告のある既知の基質が複数含まれていた。このことから、本法により相互作用蛋白質として基質を得ることが可能であることが示された。新たに得られた相互作用蛋白質の幾つかについてin vitroでRho-kinaseによりリン酸化を受けるかを調べたところ、AP180, Doublcortin, Amyloid precursor proteinなどがリン酸化されることを見出した。さらにDoublecortinの主要なリン酸化部位がThr-42であること、細胞内でもThr-42がRho-kinase依存的にリン酸化されることを示唆するデータを得た。Doublecortinは神経特異的に発現する微小管安定化蛋白質であるが、Thr-42をグルタミン酸に置換した変異体ではこの機能が低下したことから、Thr-42のリン酸化によりDoublecortinの機能が調節されていることが示唆された。以上のことより、本法を用いて生理的な新規基質の濃縮・スクリーニングが可能になると期待される。
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