ES細胞特有の細胞増殖調節におけるUTF1遺伝子の役割
Project/Area Number |
20058031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
奥田 晶彦 Saitama Medical University, 医学部, 教授 (60201993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升井 伸治 国立国際医療センター(研究所) (20342850)
丸山 昌良 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10423055)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | UTF1 / ES細胞 / 細胞増殖 / 胎盤 / 子宮内胎児発育遅延 / ノックアウト / 多能性 / 細胞分化 / アポトーシス / Nucleostemin / p53 |
Research Abstract |
UTFIは、ES細胞に相当する内部細胞塊、及び胎盤へと発生するchorion特異的に発現する転写補助因子として、私たちがクローニングし、発表した(EMBO J.17:2019-2032,1998)遺伝子である。ノックダウン等の解析から、UTF1が、これらの細胞において、細胞増殖速度を規定しているであろうといった予備的な結果が得られていたので、本特定領域では、UTF1遺伝子のノックアウト解析を行うことを中心課題として研究を行った。本研究プロジェクトでは、UTF1ホモ欠失ES細胞の樹立に加え、ノックアウトマウスの作成も行った。その結果、UTF1遺伝子は、ES細胞において欠失させても、ES細胞が持つ未分化性・活発な細胞増殖などに対して、全く影響を及ぼさないことが明らかになった。一方、UTF1ノックアウトマウスは、一見、正常に発生するが、その多くは、生後1日以内に死亡することがわかった。また、UTF1ノックアウトマウスは、野生型、及びUTF1ヘテロマウスと比べ、3割程度、体重の減少があることもわかった。この体重減少は、発生の11.5日以前では見られず、それ以降、次第に、体重の変化が顕著になることがわかった。なお、UTF1遺伝子は、胎児の部分では、始原生殖細胞を除き、発生7日目以降、全く発現していないので、この胎児のフェノタイプは、胎盤の異常に起因する子宮内胎児発育遅延によるものではないかと考え、胎盤に関して詳細な組織学的な解析を行った。その結果、UTF1ノックアウトマウスでは、胎盤の一部において、顕著な細胞増殖の低下が見られることがわかった。また、その部分は、UTF1遺伝子の発現部位と一致していた。 以上をまとめると、UTF1は、ES細胞、及び初期胚においては、必須な機能を持っておらず、但し、発生中期における胎盤細胞の増殖には、重要な働きをしていることが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)