モデル生物を用いた細胞増殖と分化のリン酸化依存的スイッチ機構の解明
Project/Area Number |
20058037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
杉浦 麗子 Kinki University, 薬学部, 教授 (90294206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多 綾子 近畿大学, 薬学部, 助教 (00388498)
掛樋 一晃 近畿大学, 薬学部, 教授 (30101405)
石渡 俊二 近畿大学, 薬学部, 講師 (20301054)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | MAPキナーゼ / 細胞質分裂 / タンパク質リン酸化 / 分化 / RNA結合タンパク質 |
Research Abstract |
本研究では,高等生物と極めて近い細胞周期システムを有する分裂酵母モデル生物を用いた<分子遺伝学的アプローチ>と<リン酸化プロテオーム解析>を軸として、細胞増殖と分化のスイッチ機構を分子レベルで明らかにすることを試みた。 特に、細胞増殖と細胞質分裂に重要な働きをするMAPキナーゼであるPmk1の細胞周期における働きに焦点をあてた解析を行った。Pmk1 MAPキナーゼの標的基質として、従来減数分裂において重要な働きをしていると報告されていたRNA結合タンパク質であるNrdlを同定した。また、Pmk1は外界からの刺激に応じてリン酸化、活性化されることは報告されていたが、今回Pmk1 MAPキナーゼの活性化が細胞周期依存的に変動することも発見した。このような細胞周期依存的なMAPキナーゼの活性や標的遺伝子群のリン酸化あるいは発現状態を定量的にアッセイできるレポーターシステムも構築した。Pmk1 MAPKはミオシン重鎖や軽鎖の変異体と遺伝学的な関係を示すことも明らかとなった。すなわち、ミオシン軽鎖の変異体や重鎖変異体の示す温度感受性がPmk 1MAPKノックアウト細胞では回復した。これらの結果から、Pmk1 MAPKはミオシンとの機能的な関係を通して、細胞質分裂を制御する可能性が示唆された。 また、新たに細胞質分裂に異常を示す変異体の取得を行い、高等生物のPSTPIPとホモロジーの高いタンパク質を同定した。このタンパク質はPmk1 MAPKと機能的な関係があることも明らかにした。具体的にはPSTPIPホモログを過剰発現するとMAPキナーゼが活性化することから、PSTPIPホモログはMAPキナーゼの上流で細胞質分裂シグナルを伝達すると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(22 results)