Project/Area Number |
20059002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新谷 尚弘 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授 (70374973)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 小胞体関連分解(ERAD) / 小胞輸送 / タンパク質品質管理機構 / タンパク質分解 / 異常分泌タンパク質 / 出芽酵母 / リソソーム・液胞 |
Research Abstract |
出芽酵母カルボキシペプチダーゼY(CPY)の255番目のグリシンがアルギニンに置換された変異型カルボキシペプチダーゼY(CPY*)は小胞体関連分解(ERAD)を受ける異常分泌タンパク質のモデル基質として広く利用されている。この基質に分泌タンパク質インベルターゼを融合したCPY*-Invは小胞体に留まらずに液胞で分解された。このことから、ERADと小胞体からの輸送は競合していることが分かった。すなわち、タンパク質の分泌効率は、分泌タンパク質とERAD装置や輸送装置との親和性やそれぞれの小胞体内での濃度に依存する反応動力学で説明できる。シングルドメインからなる単純な分泌タンパク質のERAD装置や輸送装置との親和性は、分泌タンパク質の熱力学的安定性に依存することが考えられた。そこで、CPYの255番目のグリシンを他のすべてのアミノ酸に置換した変異体シリーズを作製し、それぞれの野生株、ERAD欠損株、液胞プロテアーゼ欠損株に置ける半減期を解析した。その結果、大半の変異体はERADで分解を受けたが、バリン置換体は主に液胞で分解された。しかし、CPYの小胞体エクスポートレセプターErv29の欠損株では小胞体に留まり分解された。変異体の熱力学的安定性を解析するために、それぞれの変異体のプロテアーゼ耐性を調べた。野生型CPYは加えたトリプシンに対して非常に安定であったのに対し、CPY*は著しく不安定であり、バリン置換体はそれらの中間的な安定性を示した。このことより、分泌タンパク質の安定性と小胞体からの輸送効率は相関関係にあり、輸送とERADは競合していることが示唆された。
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