Project/Area Number |
20061003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 忍 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (70196236)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 組織癒合 / オーキシン / エチレン / 転写因子 / 細胸壁 |
Research Abstract |
シロイヌナズナ花茎をマイクロナイフを用いて直径の半分程度切断し、切断後、1、3、5、7、14日目における形態変化をテクノビット切片を作成して癒合のステージを光学顕微鏡で観察すると、切断3日目に髄の細胞分裂と伸長が開始し、7日目には細胞壁の厚壁化が起こり、癒合がほぼ完了する。また、茎生葉や頂芽の切除(器官切除)を行うと髄の細胞分裂およびその後の癒合過程が強く阻害される。そこで、(1) 切断部位、(2) 同じ節間内の無傷部位、(3) 茎生葉および頂芽を切除した個体の切断部位、(4) 茎生葉および頂芽を切除した個体の同じ節間内の無傷部位(各5mm)からRNAを調整し、アフィメトリックスのジーンチップを用いてマイクロアレイ法による発現量の解析を行った。(1)で(2)に比べて発現量が2倍以上上昇した遺伝子群のリストから、(3)で(4)に比べて2倍以上上昇した遺伝子群のリスト(単なる傷害誘導で癒合には無関係なもの)を除いた遺伝子群のリストが得られ、切断後1日目に206遺伝子が、3日目に246遺伝子が、5日目に289遺伝子が同定された。それらの遺伝子の中から、ホルモン、情報伝達、細胞増殖、細胞分化、細胞壁に関与すると考えられる遺伝子をピックアップし、リアルタイムPCRによって時系列に沿った遺伝子発現の調査を行い、癒合過程を0日目から14日目にかけて整理し、遺伝子ネットワークのモデルを作成した。本年度は特に初期過程に注目し、まず、1-3日目に発現がピークを迎える制御系遺伝子(ACS2などのホルモン関連因子、NACなどの転写因子)および細胞壁関連遺伝子(XTH20, FUT)の発現と組織癒合における働きの解析を行なった。その結果、花茎切断によって生じたオーキシン・エチレンのシグナリングが、組織癒合過程に関与する転写因子の発現を制御している可能性が示唆された。
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