イネにおける茎頂メリステムの維持に関わる因子の解析
Project/Area Number |
20061005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 純一 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (30345186)
|
Project Period (FY) |
2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | 植物 / 遺伝学 / 発生・分化 / 茎頂メリステム / イネ / クロマチン / 低分子RNA / HD-ZIP III |
Research Abstract |
本年度はイネにおける茎頂メリステム(SAM)の維持に関わる遺伝的制御機構を明らかにするために、以下の3つの内容に解析を行ない、成果を得た。 flattened shoot meristem(fsm)変異体の解析 fsm変異体は発芽後初期に枯死してしまう変異体であり、茎頂メリステムの維持に必須の遺伝因子であると考えられる。この原因遺伝子を単離したところFSM遺伝子はchromatin assembly factor-1のp150サブユニットをコードしており、クロマチンの維持に重要な因子であることが明らかとなった。fsmのSAMにおける細胞周期関連遺伝子の発現解析を行なったところ、変異体では細胞分裂周期の進行が延滞していることが推察された。このことから、FSM遺伝子の機能の一つはエピジェネティックな細胞分裂周期の制御であると考えられる。 wavy leaf1(waf1)変異体の解析 waf1変異体はfs伍と同様に栄養成長期の初期にSAMが扁平となり、その後維持されずに植物体が枯死してしまう。この変異体から原因遺伝子を単離したところ、WAF1遺伝子は低分子RNAの安定化に働く遺伝子であると考えられた。waf1変異体において低分子RNAの蓄積量を調べたところ、調査したすべての低分子RNAにおいて顕著な蓄積量の減少が認められた。従って、WAF1遺伝子は低分子RNAの蓄積量を維持することによって、多くのターゲット遺伝子の発現を制御していると考えられた。 イネHD-ZIP III遺伝子の解析 イネにおけるHD-ZIP III遺伝子の機能を推測するために、発現解析や過剰発現体の作出、オーキシンの添加実験などを行なった。その結果、イネHD-ZIP III遺伝子はシロイヌナズナと同様に胚のパターン形成やSAMの分化、葉の極性維持などに関与していること、SAMにおいて顕著なオーキシン誘導性を示すことなどが明らかになった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)