Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は、外傷や変性による関節の骨軟骨損傷に対して行われる自家骨軟骨移植(モザイクプラスティー)において生じる移植片軟骨細胞の細胞死を抑制し、骨軟骨移植による関節軟骨損傷の修復効果を上げることである。申請者が開発した細胞死抑制活性が強化された細胞導入型蛋白質PTD-FNKを含む溶液に骨軟骨片を浸漬するだけで軟骨組織内の軟骨細胞に取り込まれ、NO等によって誘導される細胞死が抑制される。本研究課題では実験動物から骨軟骨円柱移植片を調製し、PTD-FNKを移植片軟骨細胞内に導入させ、移植後の関節損傷修復効果を病理組織学的や生化学的方法、及び力学的特性によって調べ、有効なPTD-FNK投与方法を検討する。 研究課題1年目では、EGFP蛍光蛋白質を軟骨組織で発現しているEGFP-Tgラットの大腿骨内側顆部荷重部から径2.7mm、高さ15mmの円柱状骨軟骨片を採取し、PTD-FNKを含む培地に浸漬した。3時間後に、同種のnon-Tgラットの大腿骨内側顆部荷重部に移植した。移植後1,2,4週でパラフィン切片を作製し,組織検討を行った。組織学的にはFNK(+)群において移植片表面および軟骨細胞配列は比較的保たれていた。GFP陽性細胞(移植片の生細胞)率は、FNK(+)群、FNK(-)群ともに1週では90%以上であったが、FNK(-)群では2週目で有意に低下した。さらに、4週目では、FNK(-)群では軟骨基質のサフラニン0染色性が失われているのに対し、FNK(+)群では染色性が十分に保たれていた。以上のことから、PTD-FNK蛋白は自家移植骨軟骨後の細胞死を抑制し、移植片の細胞生存率を高め、軟骨構造の維持に著しい効果を示した。これらの結果は、国際的学術誌に発表した(Nakachi N, et al. J. His tochem. Cytochem. 2009;57(3)197-206)。
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