Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2009: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Research Abstract |
光線力学療法(PDT)は,標的細胞もしくは組織に取り込ませた光感受性物質に,その薬剤特有の吸収波長を有する光線を照射して細胞死を導く物理学的療法であり,主として悪性腫瘍の治療に応用されている。すでに研究代表者は,この薬剤を血管内投与すると卵胞に集積することを実験動物(ラット)において確認している。本研究ではこれを応用して多嚢胞性卵巣(PCO)などの卵巣疾患の治療においてPDTを利用した選択的卵胞退行が可能であるかを検討するものである。本年度は,ホルモン処置によって卵胞を過剰に発育させた実験動物(ウサギ)に光感受性物質としてタラポルフィンナトリウム(51mg/kg)を投与して,この物質の吸収波長帯にある664nmのレーザー光線を卵巣に照射して卵胞の退行および,卵巣組織への侵襲性を検討した(継続中)。現在のところ,50J/cm^2および40J/cm^2の照射条件においては,卵胞は退行するものの,卵胞周囲の卵巣組織に対する侵襲も大きいことが,H-E染色による組織検索によって示され,その侵襲は非特異的な壊死によるものであると考えられた。現在,さらにレーザーの出力を下げて30J/cm^2の照射条件で検討しているが,レーザーの出力を調節することで周囲組織への侵襲は軽減されており,光感受性物質を取り込んだ卵胞が優位に退行を示す結果を得ている。次年度以降は,さらに照射するレーザーの強度(条件)を調節することで卵胞のみを退行させることのできる条件の確立を目指す。
|