Project/Area Number |
20650031
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sensitivity informatics/Soft computing
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
津田 一郎 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10207384)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 感情情報学 / 自己組織化 / 進化 / カオス力学系 |
Research Abstract |
ニューロン様の機能がどのように進化してきたかを数学的に研究するために、関数に遺伝的アルゴリズムを適用し、関数型の進化発展を調べた。選んだ関数空間は、二つのシグモイド関数の差で表され、7個のパラメーターを持つ関数が作る空間である。選ばれた関数によって繰り返し写像を構成し、結合力学系としてそれが保持する入力情報量を最大化するという変分のもとで、選択圧をかけた。次の結果を得た。 1.結合定数の値が非常に大きいとき:定値関数が進化した。つまり、いかなる加工も施さないチャンネルが得られた。 2.結合定数の値が中間の時:ステップ関数を二つ組み合わせた矩形関数が進化した。これによる写像は安定不動点と一過性の大振幅軌道が共存するため興奮系のモデルとして知られたものである。従って、ニューロンと数学的には同等の性質を持つ写像関数が進化した。 3.結合定数の値が小さい時:類似のステップ関数が選ばれるが、対応する写像は周期解をもつ。すなわち振動型のニューロンが進化した。 さらに、情報伝達速度最大原理のもとでの関数の進化過程を調べた。この変分はかなり細かい条件がなければ機能しないようだ。なぜなら、情報伝達量を最大にするものはすでに伝達情報速度も最大にしているからである。従って、この変分の違いを見るためには、そもそも情報伝達速度が遅いパラメーター領域に限って、進化アルゴリズムを使わなければならず、細かい調整が必要である。 結論として、入力情報量の伝達を最大にするように進化発展させると、既知のニューロンの性質と本質的に同等な性質をもつ力学系が最終進化形態であることが分かった。この結果から、実際のニューロンは情報伝搬量最大の原理に従って進化したのではないかという仮説を提唱することができた。
|