Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
平成22年度において、以下の2点の研究成果を得た。[1]がんの多様性を明らかとするため、2群教師有り判別の枠組みにおいて再発の有無や抗がん剤に対する感受性の高低、特定の遺伝子におけるゲノムの変異の有無などの表現型を高い精度で予測する遺伝子セットを探索する研究は数多く行われている。しかしながら、選ばれた遺伝子セットは生物学的に解釈できるものは稀であり、高い予測能力を得るものの次の生物学的解析に繋がるものが決して多くはなかった。そこで、がんの多様性を特徴付ける遺伝子パスウェイを同定するための統計的手法を提案した。マイクロアレイ遺伝子発現データに基づき各遺伝子パスウェイの活性度を導き、得られたパスウェイ活性度を用いたロジスティック判別モデルを構築した。パラメータ推定には、不必要な活性度を自動的に取り除くよう、Elastic Net型正則化法を用いた。提案手法をエストロゲン受容体の高発現由来からなる乳がん患者の判別問題に適用し、関連する遺伝子パスウェイの同定を行った。[2]ヒトの細胞内にある2万以上の遺伝子は、それぞれが独立に働いているのではなく、外部からの刺激などに対して適切に対応するため、必要なとき必要なだけタンパク質を生合成できるようお互いに情報を伝達するネットワークを形成している。ほとんど全ての遺伝子は、このネットワークの関係において働きが制御されていると考えられる。しかしながら、例えば、薬の投与などの外的な刺激を与えたとき、その影響を直接に近い形で受ける遺伝子の働きはネットワーク上で伝播される遺伝子間の働きからは大きく逸脱し、特にネットワーク上においてその上流の遺伝子の挙動とは独立な動きをすることが想定される。この特徴をグラフィカルモデルにおいて捉え、外的刺激を受ける遺伝子を外生変数として非正規性を鍵に探索する方法を開発した。など、昨年度まで集中的に研究を進めていたベイジアンネットワークの構造推定については、ベイジアンネットワークの国際会議(The First International Conference on Advned Methods in Bayesian Networks)において招待講演を行い、その成果をまとめて発表した。
All 2010 2009 2008
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 6 results) Presentation (3 results)
Proc.IEEE International Conference on Bioinorrmatics and Biomedicine(査読付き国際会議論文)
Pages: 253-258
Proc.20th International Conference on Artificial Neural Networks(査読付き国際会議論文)
Pages: 67-76
Pacific Symposium on Biocomputing 14
Pages: 251-263
Angiogenesis 12
Pages: 221-229
Journal of Machine Learning Research 9
Pages: 2251-2286
Genome Informatics 21
Pages: 101-113
130003997534