Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
平成22年度は連携研究者の店田廣文教授が実施した「在日ムスリム調査」と「欧州社会調査」の比較分析をさらに進め、その成果を内外の学会で報告した。7月の世界中東学会大会と8月の米国社会学会大会ではムスリム移民の信仰の規定要因の日欧比較に基づく報告を行って欧米・中東の研究者と情報交換をし、情報収集も行った。11月のアジア人口学会大会では在日ムスリムの就業行動の規定要因に関する報告を行い、「世界ムスリム人口プロジェクト」の研究者とも再会して最新情報を得た。中東でのイスラムと人口の関係に関する研究を取りまとめて世界人口に関する書物の1章として刊行した。また、シンガポールでのパートナーシップ行動への宗教の影響に関する分析を進めて学会報告するとともに前年度の文献研究を踏まえて宗教の出生・家族政策に対する態度に関する実証分析を行い、その成果を2011年5月の日本中東学会大会等で報告する予定である。また、国際人口移動に伴う社会統合の1側面としての健康状態についても分析して論文として刊行したが、イスラエルのミクロデータの分析には着手できなかった。国勢調査ミクロデータの目的外使用申請については複数年次の統計的マッチング等が認められないことが判明したこともあって断念した。これは諸外国の公開ミクロデータを検討して比較するのに適切なものが見いだせなかったことにもよるが、その成果は安藏・小島編『ミクロデータの計量人口学(仮題)』(原書房)の第2章「内外で利用可能なミクロデータと利用例」として2011年秋には刊行予定である。また、これは2010年6月から関連テーマの学内プロジェクト主任研究者として時間を取られたことにもよるが、韓国で「在日ムスリム調査」と比較可能な調査を実施できることになった。従って、本研究の挑戦的萌芽研究としての意義は大きく、今後の発展と成果が期待される。
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All Journal Article (3 results) Presentation (23 results) Book (2 results)
人口問題研究
Volume: 66巻3号 Pages: 50-79
早稲田社会科学総合研究 10-2
Pages: 21-32
120002809279
大原社会問題研究所雑誌 No. 596
Pages: 74-78