Project/Area Number |
20650042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioinformatics/Life informatics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中尾 光之 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20172265)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 細胞成長曲線 / G2 / M期 / 引き込み / 位相反応性 / 指数関数的成長 / べき成長 / 線形成長 / 分子制御ネットワークモデル |
Research Abstract |
最新の知見を基に哺乳動物細胞の細胞周期の分子制御ネットワークのモデルを構築した。その基本構造はCyclin, CDK, CKI, CDC, Cyclin-CDK(MPF : M期促進因子),weel, APC, SKP2、およびそれらの分解、リン酸化過程からなる。これは基本的にG2/M期のモデルである。細胞サイズの成長曲線が、細胞周期と概日リズムとの相互引き込み特性への影響について調べ、線形成長やべき成長などの場合に細胞分裂サイクルと細胞周期の相互引き込み特性を調べた。その結果、指数成長と線形成長の場合にBMAL1とCyclin-CDKの頂点位相が一致し、生物学的なリアリティが高いことが分かった。また、未分化中胚葉(PSM)の分節時計の分子メカニズムのモデル化を行い、自律振動するWntシグナル系に減衰振動するDelta-Notch系が駆動されて分節化の2時間リズムが作られていることが明らかになった。さらに、Wnt系の分岐特性がAxinの産生率に依存しており、特にSuper-critical Hopf分岐を与える条件下で、PSMにおける分節遺伝子発現波の尾側から吻側への伝播が再現されることが分かった。また、分節化領域とPSM領域がWntの空間的な濃度勾配によって分離することを示した。分節化の従来モデルとしてClock and Wavefrontモデルがあるがこれでは分節化領域でのLfngとHesの空間的な棲み分けが説明できず、我々のモデル化からLfngの活性化レベルを低下させるメカニズムが予定分節領域において必須であることが示唆された。本研究を通じて、細胞周期と分節時計といういずれも発生過程を支配する分子時計メカニズムをモデル化したが、これらと日周リズムの同期関係をさらに調べることにより、時間薬理学的なガン治療のヒントが得られるかもしれない。
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