Project/Area Number |
20650048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小早川 高 The University of Tokyo, 大学院・理学会系研究科, 特任助教 (60466802)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 行動神経科学 / 神経回路の改変 |
Research Abstract |
背側の嗅覚神経回路を特異的に除去した神経回路の改変マウス(背側除去マウス)を用いたこれまでの実験によって、背側の嗅覚神経回路は匂いに対する嫌悪反応や恐怖反応を先天的に制御していることが明らかになっていた。イメージング解析の結果、背側の嗅覚神経回路は、嫌悪や恐怖を引き起こす匂い分子のみではなく、様々な種類の匂い分子によって活性化されることが判明した。また、背側除去マウスの行動解析を行ったところ、背側の嗅覚神経回路は匂いに対する多種多様な反応を先天的に制御していることが明らかになった。 背側除去マウスにおいては、生まれる以前に背側の嗅覚神経回路の除去が完了していることから、生後すぐから発達期間中の全ての時期において脳に正常な嗅覚情報が入力さない。マウスはヒトと異なり主に嗅覚系によって外界の情報を得ている。背側除去マウスでは、発達時期に正常な外界からの入力を受けないで生育した動物の脳がどのように発達するのかを解析するモデルになると考えられた。背側除去マウスにおける脳の機能的な発達異常を解析するために、高架式十字迷路を用いて、不安行動テストを行った。その結果、背側除去マウスでは、野生型マウスに比較して有意に不安行動が低減していることが明らかになった、更に、ストレスホルモンACTHの血中濃度を指標にして、不安の情動を計測したところ、背側除去マウスでは、野生型マウスに比較して有意に不安の情動が低下していると考えられた。これらの実験結果は、嗅覚系の情報入力が脳の不安行動を制御する神経回路の発達に影響を与えている可能性を初めて示唆するものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)