ガングリオシド欠損によるコルチ器崩壊の分子機構の解明
Project/Area Number |
20650058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurophysiology and muscle physiology
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
郷 慎司 Tohoku Pharmaceutical University, 薬学部, ポスト・ドクター (10458218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 克典 福岡大学, 薬学部, 教授 (10183196)
小宗 静男 九州大学, 医学研究科, 教授 (10117434)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 糖脂質 / 聴覚 / 難聴 / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究で糖脂質合成酵素の一つであるGM3合成酵素の欠損マウスが生後まもなく聴覚機能を完全に失うことを見出した。その原因として音を感知し、脳に信号を伝える蝸牛の中のコルチ器が、ほぼ正常に形成されるにもかかわらず、生後まもなく変性することに起因することがわかった。また、各種糖脂質が蝸牛内において特徴的な局在を示すことを見出した。このことは、各糖脂質が聴覚機能において特有の機能を有していることを示唆する。現在、聴覚における各糖脂質の機能解明のため、GM3合成酵素欠損マウスの他に各種糖脂質改変マウスの作製と聴覚機能評価を行っており、聴覚機能の各段階における重要な糖脂質の同定を進めている。 難聴は最も頻度が高い疾患の一つである。その原因は多様であり現在も世界中で解析が進められている。特に重要な器官であるコルチ器は障害を受けると再生は不可能であり、現状、根本的な治療法は確立されていない。本研究で糖脂質が聴覚機能に関与していることが初めて示され新たな難聴発症機構の発見となった。今後、糖脂質の難聴治療への応用を視野に入れた展開を行う。 また本研究の過程で、コルチ器を形成する細胞の一つである有毛細胞の性質を有した増殖可能な細胞株を得た。これにより今まで解析がマウス個体あるいは蝸牛組織全体(もしくは一部)でしか行えなかった解析を培養細胞レベルで行うことができるようになった。また、この細胞の移植等によって聴覚機能の再生が行える可能性があり、現在検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)