鉄欠乏、貧血、または運動が脳の機能および遺伝子・タンパク質発現に及ぼす影響
Project/Area Number |
20650104
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sports science
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大平 充宣 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (50185378)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 直也 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90324508)
河野 史倫 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90346156)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 脳 / タンパク質 / 遺伝子 / 鉄欠乏 / 貧血 |
Research Abstract |
生後3週齢のラットを普通食群、100ppm群、3ppm群に分け、100ppm群および3ppm群にはそれぞれの濃度の低鉄食を20週間摂取させた。実験開始17週目における自発的運動量は、24時間あたり100ppm群で約5200回転であったが、3ppm群では約3500回転であった(p<0.05)。20週間の実験期間後、100ppm群の血液ではヘマトクリット値が約44%、ヘモグロビン含量が約15g/dlであったのに対し、3ppm群ではそれぞれ約17%と約4g/dlまで低下していた。2次元電気泳動および質量分析により、100ppm群と3ppm群で差のあったタンパク質として73kDa heat shock protein(HSP73)が同定された。ウェスタンブロット法により発現量を定量したところ、100ppm群に比べ3ppm群で約2倍の発現量が認められた。さらに、2次元電気泳動後のゲルを用いてウェスタンブロットを行った結果、両群において等電点の異なる5つのスポットがHSP73抗体によって検出されたが、それぞれのスポット濃度には差が見られなかった。以上の結果、鉄欠乏食摂取により慢性の貧血が引き起こされ、視床および視床下部においてHSP73の総量が増大することが明らかとなった。HSP73はニューロンにおいてはレビー小体などの封入体に局在することが報告されており、この発現増加は視床および視床下部ニューロンの細胞機能低下を示唆するものと言える。また、慢性貧血による自発行動量の低下や末梢組織の鉄欠乏がこのような現象の原因であったことも考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)