Project/Area Number |
20650153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cultural property science
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
越地 尚宏 久留米工業高等専門学校, 一般科目理科系, 准教授 (90234749)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 文化財化学 / 蛍光X線分析 / 可搬型 / 焦電結晶 / Si-PIN半導体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、蛍光X線分析において、従来からの「測定試料を実験室に持ち込み→実験室設置機器で分析」という手法に対して、それでは対応不可能な「壁画」等の試料に対して、逆転の発想で「分析装置に可搬性を持たせる」ことにより、その場で蛍光分析測定を行うこと、或いはその可搬性を最大限生かして従来取り組めなかった分野への取り組みを目指す等、蛍光X線の可能性を広げることである。そこでシステムを設計、試作、基礎データーの収集を行った。具体的には従来と全く異なった設計思想を持つ「焦電結晶によるX線発生器」をX線源として採用し、これに火星探査機に搭載された「Si・PIN半導体検出器」を組み合わせることにより装置の実現を目指した。性能の評価としては従来の測定手法である、「放射性同位体から発生するX線を用いての蛍光X線分析」手法との、空間分解能、検出精度等の比較検討を行った。その結果、十分な強度のデーターを得るためには発生部、受光部双方にある程度の面積が必要である一方、空間分解能を得るためには逆にスリット-コリメート系を加味した絞りが要求されそのバランス調整が対象物に応じて必要である等の知見を得た。また試料との距離が強度に大きく依存するが、その距離調整の自動化手法は試料の破損対策等慎重に決める必要がある。このように本研究は現在基礎技術やノウハウの蓄積段階である。今後の本研究の方向性や意義の一つとして、現在、社会が直面している科学技術課題「放射線量の遠隔測定」に対しての貢献の可能性が挙げられる。研究代表者は高専という教育研究機関においてロボット製作の研究指導を行っている。この2つの研究のノウハウを融合することにより、本研究の主題である「可搬性」を「遠隔コントロール下におけるその場測定」に昇華させることにより、現在社会が直面している直近の科学技術的課題に対しても貢献ができないか検討中である。
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