Project/Area Number |
20651060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Living organism molecular science
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
足立 伸一 High Energy Accelerator Research Organization, 物質構造科学研究所, 准教授 (60260220)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 高速高精度測定 / タンパク質結晶 / 分子動画 |
Research Abstract |
タンパク質分子は酵素反応において様々な化学反応を触媒し、多くの場合、ミリ秒から秒オーダーの時間領域に特有の反応時定数を持っている。このようなタンパク質の酵素反応過程を原子レベル分解能の動画として観測することは生物科学研究者の究極の夢である。本研究課題は、放射光から得られる高輝度単色X線と高速試料回転ゴニオメータを組み合わせることにより、秒オーダーで進行する反応を触媒する酵素タンパク質を対象として、1回の測定で1秒以内に1個の結晶から独立な領域の高精度X線回折データを測定する装置の開発し、新規データ解析ソフトウエアを開発と合わせて、酵素反応中間体の構造解析をこれまでの方法では実現不可能であった高精度で行うためのシステム開発することを目的とした。 本研究では、目標値である1秒以内のデータ測定の実現までには最終的に至らなかったものの、その基盤的な検討のために高速回転ゴニオメータを組み込んだX線回折装置の開発を進め、装置上は原理的に1秒以内のデータ測定が実現可能であることを確認した。また一方で、タンパク質結晶試料を低温条件下に冷却しながらパルスレーザー照射を行うことにより、ミリ秒から秒オーダーで進行する反応を分オーダーまで減速し、高精度にX線回折データ測定するシステムの開発を平行して行った。この測定方法を一酸化炭素結合型ミオグロビン結晶に適用し、ミオグロビン分子の小分子輸送ダイナミクスに関する新たな知見を得ることに成功した。
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