Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 幸雄 岩手大学, 農学部, 准教授 (90323477)
金岡 正樹 農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上席研究員 (50355260)
李 哉ヒョン 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60292786)
内山 智裕 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (80378322)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
農業法人経営に関わる大量のアンケート調査を実施し,「息切れ現象」と関係の深い,(1)マーケティング,(2)雇用管理,(3)財務管理,(4)経営継承,(5)イノベーションのための投資を十分に意識し,マーケティングと雇用管理の現状,財務管理に対する意識,法人経営者の代替わり,投資に対する考え方について,調査した.3,235法人(全国ベース・郵送式)に配布し,608法人から回答を得た.アンケートデータの分析結果は以下の通りである. 法人が設立された後は比較的順調に収入増加など経営成長が見られるものの,問題は法人設立後10年あたりを経過した頃に必ずしも連続的な経営成長が続くとは限らず,長期的な成長過程においては時には経営の停滞・低迷,いわば「息切れ」局面があり得ることである.したがって,こうした問題をどのように克服していくかが真の意味での経営成長を達成するのに重要であり,農業経営の成長マネジメントの新たな問題として提起しておきたい. また同調査をもとに,経営ごとの売上動向を踏まえた分析によって明らかにされたことは,まず社会に目を向けた姿勢で経営の目的やビジョンを持つことが,経営成長にとって基本的に重要である点である.ただし,国民や消費者のニーズに対応した経営戦略だけでは必ずしも経営成長を達成しているとは言えなかった.むしろ,市場開拓や製品差別化といった市場対応は売上の減少・停滞に直面する経営の克服課題と解釈できよう.一方,成長を見せている経営では,人材育成を重要視した経営を行っている特徴があり,これがこれからの農業経営の成長マネジメントとして注目されてもよいと考えられる. こうしたアンケート調査と合わせて現地調査も実施し,アンケートでは見えてこなかった農業法人経営者の意欲や能力にも着目した分析を行ったところ,経営者自身の人的側面と「息切れ現象」の発現プロセスについて整合的な結果が得ることができた.
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