公共交通機関撤退が及ぼす地域社会変容の社会学的研究
Project/Area Number |
20653031
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Sociology
|
Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
堀畑 まなみ 桜美林大学, 総合科学系, 准教授 (40348488)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
|
Keywords | 社会学 / 公共交通 / 地域社会 |
Research Abstract |
本年度は、都市と接続しているにもかかわらず存続問題がでていたり、廃止を乗り越えたりした公共交通を中心に調査を実施した。具体的には1.北陸鉄道石川線、2.三岐鉄道北勢線、3.和歌山電鉄貴志川線についてである。北陸鉄道石川線は金沢市中心部から鶴来まで、三岐鉄道北勢線は西桑名から阿下喜まで、和歌山電鉄貴志川線は和歌山から貴志までである。どの地域でも少子化による通学利用者の減少、通勤における自動車利用の増加等で公共交通の利用者は減少しているが、この理由に限らず、接続している地方都市の衰退の問題が背景に存在している。 公共交通のなかでも鉄道が残るためには、沿線自治体や商工会、地元自治会などが三位一体となって取り組むことが重要である。それでも、赤字をどうするのか、補填する立場にある都道府県自治体の交通政策に左右される場合もあることが本研究を通して理解できたが、これらの事例でも検証できるものとなった。 最終年度である本年度の研究においては、公共交通存続で注目を浴びている貴志川線の視察にて、通勤・通学、買物など日常の足としての「利便性以上のもの」を提供しようと努力することの意義を深く考えさせられた。今まで実施した研究においては、誰でも移動ができる交通権としての公共性を重視していたが、今後の新たな分析の視点にしたい。公共交通事業者の多くは、今まで高速バス事業の収益にて赤字補てんを行ってきたが高速道路無料化実施によってそれもままならない状況となってきている。更に震災も起こり、今後さらに厳しい状況に置かれることが想定される。公共交通の利便性以上のものについて、今後も研究を続けたいと思う。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)