アメリカにおけるメディアとしてのペーパー・テストの普及に関する社会史的研究
Project/Area Number |
20653060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Educaion
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Research Institution | Kwansei Gakuin University (2009-2010) Kobe Women's University (2008) |
Principal Investigator |
宮本 健市郎 関西学院大学, 教育学部, 教授 (50229887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 隆之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (60288032)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ペーパー・テスト / 進歩主義教育 / 進級試験 / 鉛筆 / プロジェクト・メソッド / アメリカ合衆国 / アメリカ教育史 / 教育評価史 / 教育方法史 / ホレースマン・スクール / 授業 / 成績評価 / 筆記試験 |
Research Abstract |
3年間にわたる研究をまとめて、報告書を作成した。筆記試験はアメリカでは19世紀半ばに出現した。口頭試問にくらべて、筆記試験は、公正性、正確さ、客観性において優れているという理由であった。1870年代に鉛筆や紙の大量生産が始まったこと、学年制をもった学校が出現し、大量の生徒を対象として進級試験が実施されるようになったこと、などにより、筆記試験は19世紀末には主要な試験の方法になっていた。教師の間では、筆記試験が授業と試験の乖離をもたらすとして、その導入に慎重な意見も強かったが、20世紀初頭には、教育の能率と平等を追求する手段として、筆記試験がさらに普及していった。1910年代から1920年代にかけて流行した教育測定運動のなかでは新型といわれる筆記試験が登場した。それは、能率と客観性を徹底して追求するために、多肢選択式のペーパー・テストであり、教師の判断を極力排除しようとするものであった。 20世紀初頭の進歩主義の学校では、知識の有無を調べるテストではなく、知識を行動にどのように結び付けようとしているかを問う形のペーパー・テストが開発された。その一つの例は、コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジのホーレスマン・スクールで、チャセルが開発した道徳性を測定するためのテストであった。この方法は、道徳性の測定に関心をもっていたソーンダイクの意向を受けて実施されたものであった。ホーレスマン・スクールではプロジェクト・メソッドが実施されていたにも関わらず、実は、道徳性の習得に点数をつけるためのペーパー・テストとも深いつながりを持っていたのである。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)