Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
(1)シリル(シリレン)タングステン錯体とピリジンオキシドを反応させると、最終的にジシロキシジオキソタングステン錯体1が生成した。錯体1の単離を行い、その構造を結晶構造解析により明らかにした。酸素供与剤として一酸化二窒素を使用した場合は反応が非常に複雑になり、生成物の単離は困難であった。また、エチレンオキシドなどの弱い酸素供与剤では、反応は全く進行しなかった。(2)(1)の反応中に数種類の中間体錯体の生成が観測された。それらの構造を^1H NMRおよびIRなどの分光学的手法により検討した。その結果、最初にルイス塩基が配位して安定化されたシラノンタングステン錯体が生成し、その後、シロキシ錯体等、いくつかの中間体錯体を経て、最終生成物1が生成することが分かった。(3)シリル(シリレン)モリブデン錯体と酸素供与剤とを反応させると、ルイス塩基が配位したシラノン錯体2が生成することが分かり、これを単離することに成功した。錯体2の結晶構造解析の結果、Si-O結合が短いこと等の特徴が明らかになった。得られた結晶の質が悪く信頼度因子が大きいため、再測定を行う必要があるが、シラノン錯体の単離に成功したことで、本研究の目標は達成された。(4)シラノン錯体の硫黄類縁体であるシラチオン錯体の合成を目指し、シリル(シリレン)錯体と硫黄類縁体とを反応させると、六員環骨格を有するカルベン錯体3が生成することを報告した。この反応は速やかに進行し、中間体錯体は観測されていないが、シラチオン錯体を中間体として経由すると考えられるため、その捕捉を種々試みた。しかし、現在のところ捕捉には成功していない。
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Volume: 254 Pages: 1348-1355
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http://www.chem.gunma-u.ac.jp/~md2/