オリゴペプチド鎖を配位空間として用いた金属酵素機能モデルの構築
Project/Area Number |
20655012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 高史 Osaka University, 工学研究科, 教授 (20222226)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | オリゴペプチド / 金属酵素 / 機能モデル / 金属錯体 / 触媒 |
Research Abstract |
生体材料を用いた金属錯体の構築は、複雑な金属タンパク質のメカニズム解明に対して有用であるだけでなく、水中で働く環境負荷軽減型触媒の開発として極めて興味深いテーマである。本課題研究では、生体内でCd,Hg,Zn等の重金属の捕捉・無毒化を行うメタロチオネインと呼ばれる比較的小さなタンパク質(含システインオリゴペプチド)に着目し、メタロチオネインの1/3を占めるシステイン残基を利用して、タンパク質マトリクス内に鉄硫黄クラスターあるいは鉄・モリブデン硫黄クラスターを構築すること試みた。得られた新しいメタロチオネインは、巨大かつ複雑なニトロゲナーゼの簡単なモデルとして見なすことができ、『水中での窒素固定からアンモニアへの変換を触媒する安定な生体模倣機能分子の創製』を最終目的としている。具体的には、以下の成果を得た。 (i)メタロチオネイン再構成法の確立 メタロチオネインは、生物の細胞質に広く分布し、システインを極めて多く含む小規模のタンパク質である。このメタロチオネインは2つの独立したドメインから形成されているが、今回はこのうちαドメイン(30残基:含13システイン残基)に着目し、ペプチド合成によるαドメイン(アポタンパク質)の合成とαドメインを使った新しい非天然金属クラスター(鉄またはコバルト)とシステインのSH基で構成される錯体の合成に成功し、質量分析等で同定した。 (ii)再構成メタロチオネインを用いたニトロゲナーゼ類似反応 得られたメタロチオネイン鉄錯体を用いて、メチルレッド(ヒドラジン誘導体)の還元反応(N=N結合の水素付加反応)を実施した。その結果、ほぼ100%で、還元体のヒドラゾベンゼンが得られ、難しい窒素の還元の一つのステップの模擬反応を示すことができた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)