カルボン酸の触媒的脱水縮合による酸無水物合成プロセスの開拓
Project/Area Number |
20655019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂倉 彰 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 准教授 (80334043)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | カルボン酸 / カルボン酸無水物 / 脱水縮合 / 触媒 / 有機ボロン酸 |
Research Abstract |
カルボン酸無水物は、DMAP触媒によるエステル化反応を始めとする様々な反応に用いられている有用なアシル化剤である。カルボン酸無水物は、カルボン酸の触媒的脱水縮合で合成されるのが最も理想的である。しかし,これまでのところカルボン酸の直接脱水縮合に有効な触媒は開発されておらず,カルボン酸塩化物やジシクロヘキシルカルボジイミドのような脱水縮合剤を用いるのが一般的である。これらの従来法では,副生成物として腐食性の塩化水素が発生したり,多量の副生成物が生成したりするという問題がある。そこで,本萌芽研究では直接脱水縮合によるカルボン酸無水物の合成に有効な触媒の開発を行った。 カルボン酸の活性化に有効な触媒を中心に詳細な検討を行った結果,いくつかのアリールボロン酸がカルボン酸間の直接脱水縮合に対して良好な触媒活性を示すことを見出した。特に,2,6位にジアルキルアミノメチル基やトリアルキルアンモニウムメチル基を持つアリールボロン酸が優れた触媒活性を示し,炭化水素などの非極性溶媒中で脱水加熱還流させることにより,対応するカルボン酸無水物が良好な収率で得られた。例えば,2,6-ビス[(N,N-ジイソプロピルアミノ)メチル]フェニルボロン酸触媒(10 mol%)存在下,ピロメリット酸のオクタン溶液を12時間脱水加熱還流させることにより,耐熱性ポリイミド樹脂の原料であるピロメリット酸無水物をほぼ定量的に合成することに成功した。また,低収率ではあるがモノカルボン酸の分子間脱水縮合によるカルボン酸無水物の合成にも成功した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)