Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
本研究では,剛節と滑節の中間に位置づけられる柔軟な節(フレキシブル・ジョイント)により結合され,大変形能を有するフレームを部材とする新規なオープンフレーム(OF)構造を創出し,その特異な変形能と構造安定性の調査を目的とする.まず,シリコン単結晶基板の上に,種々のサイズを持つナノピラーを集束イオンビーム支援の蒸着方法(FIB-CVD)により作成した.作成する方法としては,集束イオンビームの焦点を固定して蒸着させるフォーカス型と,焦点をぼかすことで大域的な蒸着を可能にするデフォーカス型の2種類を提案した.前者では,連続的に直径を変化させることが困難で,高々直径350nmが限界である.一方,後者は直径700nm以上のピラーまで連続的に作成することができた.両者の試料に対して,ピラーを振動させることにより共振周波数を求めヤング率を推定した結果,両者で内部構造の異なることがわかった.つぎに,ピエゾアクチュエータを利用した曲げ試験装置を走査型電子顕微鏡(SEM)内で開発した.試験片としては,2本のピラーを電子線照射溶接法により接合することによって,高精度な曲げ試験が実施できるダブルカンチレバーモデル(DCモデル)を新たに提案した.このDCモデルを曲げ試験装置に取り付け,高精度で再現性の高い曲げ試験を行った.一連の曲げ試験とともに,柔軟結合節をモデル化した有限要素解析を行い,両者からナノピラーの大たわみに対する非線形変形能を明らかにした.また,種々のサイズを持つナノピラーを用い,その力学的応答に対するサイズ効果を調査した結果,(1)直径約300nm以下で,直径/長さの比が1/100程度以上の場合に,通常の連続体力学解(有限要素解)では予想できない曲げ剛性の低下という特異な挙動を明らかにした.これは,ピラーを構成するダイヤモンドライクカーボンの共有結合性の結合様式を反映したピラーにおけるサイズ効果と考えられる.
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