誘電分光による生体内の結合水測定と生体の劣化予測に関する研究
Project/Area Number |
20656037
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白樫 了 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (80292754)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 生体熱工学 / 非平衡熱力学 |
Research Abstract |
本年度は,水分含有率40wt%までの低含水率のゼラチンゲルの誘電特性を測定して,水分活性や示差走査熱量分析の結果と比較した.その結果,特に水分率70wt%と30wt%で,凍結水分率と水分活性に特徴的な変化がみられた.この変化が昨年度に示唆された二種類の異なる緩和時間をもつ結合水の性質となんらかの対応がある可能性が示唆された.また,6GHzで結合水の誘電率がほぼ0になることから,対象となる生体の高周波の誘電率から自由水量を推定する方法を提案し,実際の自由水量(凍結水量)と比較することで,その妥当性を明らかにした. また,具体的な応用の一つとして,皮膚表層の50μm程度の深さの結合水の誘電分光を実現するセンサーを作製した.即ち,巾5μmから数10μmの間隔と巾をもつ,厚さ1μm以下の櫛形電極を作成し,接触面に対して垂直方向の測定範囲を検討した.さらに,高速測定と簡便性を実現するために同センサーに作動TDRプローブを接続した測定系を構築した.前者の結果より,垂直方向の測定範囲は電極巾と間隔の和の値にほぼ等しいことがわかったものの,作動TDRプローブとセンサーの接触抵抗や電極の静電容量が原因となる緩和時間が相当に長くなってしまった.以上より,本年度試作したセンサ形状で50μm程度の空間分解能は実現できることがわかったが,必要な周波数範囲の測定の為には,作動TDRプローブとセンサの電気的接続を改善し,電極の静電容量を低くする形状に変更する必要があることが示唆された.ただし,測定値からスペクトルを算出する解析については,作動TDR法でもプローブの周波数分解能程度まで精度よく測定するプログラムは確立した.
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)