Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
これまでの我々の研究から、統合失調症関連遺伝子ニューレグリン(NRG)は50Hz付近から100Hz間の周波数刺激により膜貫通ドメインのすぐN末側で蛋白切断を受け細胞外に切り出されることが解っている。実際に、統合失調症患者の血液サンプルを用い、分泌型NRGの血中量と遺伝子多型を解析することにより、統合失調症患者では、その発病と改善に分泌型NRGの量が関与していることを明らかにした。また統合失調症患者の分泌型NRG量の変動が発病と関連があること、発病の際、前頭前野や聴覚野における50~80Hz付近の神経活動消失や乱れが観察されることから光計測系で分泌量と神経活動を同時計測し、その結果を脳刺激にフィードバックする仕組みを構築しようとしてきた。そのため必要な蛍光物質を様々な角度から合成、スクリーニングを行った結果、脳機能(神経活動)を高感度で検出できる温度感受性色素を得ることができた。神経活動変化に伴う細胞内カルシウム濃度変化が発熱・吸熱反応を引き起こし、その変化を蛍光強度変化計測することにより検出するシステムである。一方、NRGの蛋白分断と分泌を追跡するための新規プローブの合成にも成功し、両者を同時観測可能なところまできた。また、脳深部の計測を可能にするため、バンドル化した光ファイバー表面に色素を塗布することにより脳深部に於ける光計測をミリセカンドの時間分解能、20~50マイクロメータの空間分解能で計測できるシステムとし、同時に光刺激も可能となった。実際に脳スライス、動物個体に応用することによりそのプロトタイプの評価を行っている。
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