Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Research Abstract |
昨今インターネットの発達により,多くの鉄道利用者が移動前または移動中にPCや携帯電話から鉄道経路検索Webサイトを利用し,検索結果に提示される経路を見て移動している.これは検索結果に従って移動しているとも考えることができ,鉄道経路検索Webサイトが鉄道利用者の経路決定に与える影響は大きいと考えられる.そこで本研究ではPC版・携帯版それぞれのサイトの経路検索ログを用い,駅間および行政区分間のOD表を作成し検索ODの違いについて様々な視点から明らかにした.また大都市交通センサスの駅間および行政区分間のOD表も同時に作成し,PC版・携帯版と比較を行った.これにより,アクセス媒体による違いや交通統計調査だけでは再現できない部分の補完可能性を検討した.また,独自のWeb調査を基に鉄道経路検索サイト利用者が検索後にどのような経路を実際に用いたかを明らかにし,鉄道利用者の経路選択行動を把握し経路選択モデルの構築を行った.経路情報よりサンプルごとに経路の「探索時刻との列車発車または到着時刻の差」,「所要時間」,「片道料金」,「乗換回数」のサービス差(最大値と最小値の差)を求めた.その結果,「探索時刻との列車発車または到着時刻の差」,「所要時間」,「片道料金」については殆ど差が見られず,「乗換回数」については2回までで9割を占めており,経路検索サイト利用者は僅かな差がある選択肢から経路を決定していると考えられた.実際に離散選択モデルを適用した場合,経路代替案を全ての経路としたモデルと,Web調査から判明する選択集合を考慮したモデルの双方とも,モデルの適合度は高くなく,的中率も低いものとなった.従って,鉄道経路検索Webサイトを利用し,検索結果に提示される経路を選ぶ場合,その利用者は少なくとも補償的には選択していないことがわかった.
|