Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
前年度は,Pt粒子を対象とし,そのすばやい粒子核生成過程について,オンライン非接触方式での検出実験に取り組み,反応の初期段階における粒子濃度の変化を追跡可能であることを示した。今年度は,典型的な遅い反応系であるシリカ粒子を対象に,異相核発生過程の解析を試みた。 1. 「遅い」反応系であるシリカ粒子の形成過程検討 シリカ粒子生成にはTetraethylorthosilicate(TEOS)の加水分解反応を用いた。触媒にはアンモニアを,溶媒にはエタノールを用い,TEOS溶液とアンモニア・水混合溶液を強混合型流通反応器を用いて急速に混合した。これは,通常,加水分解と縮合という逐次反応で形成されるシリカ粒子を,迅速に混合することによりまず加水分解反応だけを起こすことで均一な核生成を促し,それが単分散なシリカ粒子の合成につながるのではないかという考えたためである。通常のバッチ式での合成と粒子生成過程を比較したところ,混合条件の違いのみにも関わらず,大きな違いが見られた。バッチ式の場合,生成した核が集まりながらネットワークを形成し,極めていびつな形状の粒子が多く観察された。一方で,反応初期の混合が均一である場合(強混合型),バッチ式に見られたネットワーク状の構造はほとんど観察されず,急に近い形状の粒子が反応初期から形成していた。形成した粒子はバッチ式よりも粒度分布は狭くなり,ゼータ電位は大きくなった。このように,反応初期の核生成を均一に起こしてやることで,粒子の成長過程を変化し,それが粒子特性をも変えうることを示した。
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