突然変異体を生きた化石として利用した陸上植物初期進化過程解明へのアプローチ
Project/Area Number |
20657020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biodiversity/Systematics
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
長谷部 光泰 National Institute for Basic Biology, 生物進化研究部門, 教授 (40237996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 隆 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 准教授 (00242024)
日渡 祐二 基礎生物学研究所, 生物進化研究部門, 助教 (10373193)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 分岐 / 分裂組織 / 進化 / オーキシン / 植物幹細胞 / 複合形質進化 / 全適応 / 自己組織化 |
Research Abstract |
(1)PpMEA遺伝子破壊体における分枝の組織学的研究PpMEA遺伝子破壊体のSEMを用いた形態観察、透明化サンプルの観察を行った。その結果、分岐様式は二又分岐ではなく、単軸分枝に近いものであることがわかった。ただ、SEMの観察によってどのような規則で分岐しているのかを調べたが、規則は見いだせなかった。また、頂端幹細胞が活動停止するのに伴って分岐が生じているらしいことがわかり、頂芽優性に似た生理現象がある可能性が示唆された。この時期に、複数の分岐がほぼ同時に形成されることから、頂芽優性と分岐との均衡によって最終的な分岐パターンが決定されるのではないかと考察した。 (2)PpMEA遺伝子破壊体枝形成とオーキシン分布の関係 GH3プロモーター::GUS形質転換ヒメツリガネゴケを用いて、PpMEA遺伝子を破壊して、枝状構造を形成させ、枝状構造形成時にオーキシン分布がどのように変動しているかを観察した。被子植物の分枝は、分枝で一過的にオーキシン濃度の上昇が起こり、その後、茎頂のオーキシン濃度の最も低い部分で次の分枝が形成されるが、PpMEA遺伝子欠失体においても同様に、分岐形成直前に、1細胞で周辺細胞よりも強いGUSのシグナルが検出され、その後に分岐形成のマーカーであるPpMKN遺伝子の発現が検出された。このことから、オーキシン濃度と分枝状構造形成との間に被子植物のような現象がおこっている可能性が示唆された。オーキシン、阻害剤を外生投与する実験を行ったが、実験結果が安定しなかった。 化石記録を再検討した結果、当初想定していたAgraophyton majorよりもprotracheophytesに類似点が多いことがわかり、現生コケ植物胞子体はprotracheophytesの分岐胞子体が退化して生じた可能性があることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
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