時間分解赤外分光法で捉えるバクテリオロドプシン内部の水分子の動態
Project/Area Number |
20657030
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biophysics
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
神取 秀樹 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 教授 (70202033)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 生体分子 / 光スイッチ / レチナール / 生物物理 / 水素結合 |
Research Abstract |
蛋白質の内部結合水の中には単に空間を充填するだけでなく、機能に重要な役割を演ずる水分子の存在が考えられている。我々は、光駆動プロトンポンプ蛋白質であるバクテリオロドプシンに対する精緻な低温赤外分光により、内部結合水の重要なはたらきを明らかにしてきた。本研究では、我々が低温で捉えた実験結果が、蛋白質が実際に機能する室温でも同様に起こるのかどうかを確かめるため、時間分解赤外分光を用いた解析により明らかにすることを目指している。水分子の振動バンドを室温で捉えることはきわめてチャレンジングな実験テーマであるが、ステップスキャン法を用いた時間分解赤外分光計測を最適化することによって、水分子の信号の実時間計測に挑んでいる。 初年度において水分子を捉えるための測定系を最適化することを計画していたが、幸い予想以上の進展があり、Biochemistry誌に論文発表することができた。この実験結果によれば、マイクロ秒の領域で過渡的な温度上昇による見かけのスペクトル変化を正確に補正した結果、興味深いことに、L中間体の水は室温と低温で大きく異なっていた一方、M中間体の水は室温と低温でほぼ同じ水素結合構造をしていることがわかった。平成21年度はこの計測をさらに発展させ、過去、最高精度の計測を行った結果、M1,M2という2つのM中間体の構造は、プロトン放出基である水クラスター以外には構造変化は起こらないことを見出した。 時間分解赤外分光法以外の計測の結果も含め、11編の原著論文を世に出すことができた。また、8件の招待講演を含む43件の学会発表を行った。
|
Report
(2 results)
Research Products
(121 results)