Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
本年度は、まず昨年度に引き続き心臓の左右非対称な形態形成のための組織変化について、細胞レベルでの解析を進めた。組織切片による観察、走査型電子顕微鏡による観察により、細胞密度と細胞形態の左右差が形態の左右成形性の原因となっている可能性を確認した。また、蛍光色素でラベルした少数の細胞集団の挙動をタイムラプス観察する実験系を構築し、心臓に寄与する細胞群が元の位置に応じて異なる移動方向を取りながら心臓形成に寄与することを観察した。また、心臓形成に寄与する細胞群が頭尾軸方向にずれながら移動することも見出した。さらにこのような細胞や組織同士の相対的な位置変化が体のより後方の側板中胚葉にも見られることが分かった。後方での側板中胚葉は四肢に寄与する細胞群となるが、その後の発生過程においてそのような細胞群が作り出す形態の普遍性と多様性について、鳥類・爬虫類・哺乳類の各胚を用いて検討した。この内容については論文として発表した。また、形態の三次元構造形成において、細胞増殖・細胞死・細胞形態変化・細胞分裂方向のいずれが関与するかを調べる実験系の構築を行い、現在論文投稿中である。形態を構築できる細胞の性質について総説も記した。心臓形態形成過程をタイムラプス観察する技術の構築やそれをもとにした本年度の結果も含め、当初の研究目的であった心臓の左右非対称形態を導く細胞挙動の発生学的解析システム構築を達成することができた。
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Development Growth and Differentiation 52
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10027563906
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http://www.biology.tohoku.ac.jp/lab-www/tamlab/