Research Project
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
野生ダイズ根粒菌Sinorhizobium fredii USDA191 NodD1の大腸菌内発現系によって調製したタンパク抽出物を用いてin vitro再構成する技術改善に取り組み、GroELSシャペロンニン・システムを起動させて活性化したNodDのDNA結合を首尾よく検出することに成功した。但し、未だ再現性やデータの明確さに欠けるため論文発表や学会発表にまで至ることができなかった。この点は正に挑戦萌芽研究の宿命である。NodD1の細胞内局在の観察についても、免疫電子顕微鏡による検討を続けているが未だ芳しい結果は得られていない。一方そ代案として、ウェスタンブロッティング法によりNodD1のタンパク質レベル変動を検討した結果、ダイゼイン存在下でのみ可溶性の細胞膜画分に含まれるNodD1が顕著に増加することが示唆された。しかし、ダイゼイン添加によるnodD1の転写量の変化はなかった。これらの結果から、ダイゼイン添加によって細胞膜に含まれるNodD1の増加には、mRNAの翻訳効率の上昇、あるいはNodD1の安定化が関与すると推測された。そこでNodD1活性化の途中でタンパク質の新規合成を停止しNodD1の安定性を比較したところ、ダイズイン存在下ではNodD1の分解抑制が観察された。これらの結果からNodD1活性化の過程でダイゼインが細胞膜に含まれるNodD1を安定化させその存在量を増加させることが示唆され、本年度はこの点さらに明確にすることができた。また、NodD1の多量体化をクロスリンクで検討した。NodD1が活性化した状態で結合する染色上の位置を定め、それによってNodD1の傘下にある遺伝子群を明らかにすべく、ゲルシフト・アッセイを応用したSELEX解析に挑戦した。この際は、USDA191のみならず栽培ダイズ根粒菌を代表するBradyrhizobium japonicum USDA110株についても同様の手法を適応すべく研究を進めてが、実験方法自体の設定が調わず結果を得るには至らなかった。
All 2010 2008
All Presentation (4 results)