活性化型TOR変異体を用いた代謝活性化による組換えタンパク質生産能の向上
Project/Area Number |
20658027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 達哉 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (90280627)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 蛋白質 / バイオテクノロジー / シグナル伝達 / 微生物 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
酵母発現系では、TORC1に対する寄与の大きいTOR1遺伝子に活性化型変異を導入した株を用いた。哺乳類S6キナーゼの酵母ホモログであるSch9のリン酸化がこの株で昂進していることを確認した。強力なGPDプロモーターによりモデルタンパク質β-ガラクトシダーゼを発現するプラスミドを野生株と活性化型TOR1変異株に導入し、酵素活性を指標に発現量を検討した。バッチ法で培養を続け、対数増殖期、対数増殖後期、定常期における発現量を定量したところ、いずれの条件においても総タンパク質量あたりの発現量に有意な差を認めなかった。一方、菌数あたりの総タンパク質量は、活性化型TOR1変異株の方が一貫して1割程度多かった。このことから、活性化型TOR1変異株を用いることで菌数あたりのタンパク質発現量が改善されることが明らかになった。 哺乳類培養細胞発現系では、最も活性の高かったmTOR SL1+IT変異体を用いた。HEK293細胞に野生型mTOR発現プラスミドもしくはmTOR SLI+IT発現プラスミドとルシフェラーゼ発現プラスミドとを同時に導入し、薬剤耐性を利用してプラスミド導入細胞を選択した後、細胞抽出液におけるルシフェラーゼ活性を指標に発現量を評価したが、有意な差が認められなかった。また、翻訳困難なmRNAのモデルとして、5'非翻訳領域にステムループ構造を挿入したルシフェラーゼ発現プラスミドからの発現量を検討したが、有意な差が認められなかった。さらに、HeLa細胞を用いて野生型mTORもしくはmTORSL1+ITの安定発現株を作製し、同様な解析を行ったが有意な差が認められなかった。これらの結果から、十分な血清を含んだDMEM培地においては、mTORSLI+ITを導入しても組換えタンパク質産生を改善することは困難であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)