1型糖尿病および関節リウマチの発症に及ぼす牛乳蛋白質の抑制効果
Project/Area Number |
20658032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Food science
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
榎本 淳 Gunma University, 大学院・工学研究科, 准教授 (70183217)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 自己免疫疾患 / 1型糖尿病 / IL-10 / ラクトパーオキシダーゼ / T細胞 / ConA / 鶏卵アレルギー / IgE / I型糖尿病 / NODマウス / T細胞応答 / インターフェロン / 自己抗原 / 牛乳蛋白質 / グルタミン酸デカルボキシラーゼ |
Research Abstract |
平成20年度の本研究で、ラクトパーオキシダーゼ(LPO)がNODマウスの自己抗原に特異的なT細胞の自発的な応答を抑え、1型糖尿病の発症も抑制できることを明らかにしてきた。今年度はなぜLPOがそのような抑制活性を有するのか解明するために、NODマウスの脾臓細胞のサイトカイン応答に及ぼすLPOの誘導効果について検討した。糖尿病未発症のNODマウスの脾臓細胞培養系にLPOを単独で添加した場合、サイトカインの産生は全く認められなかったものの、LPOをConAと共に加えたところ、強力なIL-10応答が観察された。しかし、LPO刺激の代わりに、予め加熱処理したLPO、西洋ワサビパーオキシダーゼ、ヒトミエロパーオキシダーゼを用いたところ、IL-10応答はほとんど誘導されなかった。次に、ConAの代わりに抗CD3抗体、IL-2、LPS刺激をLPOと共にそれぞれ加えたところ、LPS刺激では全く認められなかったものの、抗CD3抗体およびIL-2刺激ではIL-10応答が強く誘導されることが見出された。これらの結果より、IL-10応答を誘導するためには、nativeなLPOと共に、T細胞の活性化が同時に必要であると考えられた。さらに、このようにLPOとConAの同時刺激により誘導されたIL-10産生細胞が、naiveなNODマウスの脾臓細胞のグルタミン酸デカルボキシラーゼに特異的な自己免疫応答をin vitroで有意に抑制できることが明らかとなり、本研究で見出されたIL-10産生細胞が1型糖尿病の予防・治療に応用できる可能性が示唆された。最後に、LPOの鶏卵アレルギーに対する効果を検討したところ、LPOが最も主要な鶏卵アレルゲンである卵白アルブミンに特異的なマウスT細胞応答ならびにIgE応答を完全に抑制できることが明らかとなったため、LPOは1型糖尿病をはじめとする自己免疫疾患ばかりではなく、アレルギー疾患の予防・治療にも有効であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)