Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究は,風物理シミュレーションを森林空間に導入し,今後の風研究の基礎を築くことを最終目的に,以下の3点にテーマを絞り研究を進めたものである。 すなわち(1)大地形における風の挙動の把握と台風による被害地の推定,(2)強度間伐・列状間伐の風害のリスク評価ならびに(3)天然林施業における種子の飛散状況の把握である。今年度は,(1)に関連して,北海道足寄町で2006年に発生した風害を対象としてRIAM-CMPACTを用いて風害発生と風況要因との関係を解析し,これまでの研究(谷川ら2009)の事例での再解析結果と比較して本手法の汎用性について検討した。さらに,本手法の精度の向上を目的として,簡便に算出することができる地況要因を組み込み,その改良の効果についても検証した。その結果,風況要因のみのモデルは,北演の解析ではでAICの目立った減少は見られなかったが,日田の解析では,全ての風況要因のモデルでAICが大きく減少した。特に標準偏差と四分位範囲でAICの大きな減少がみられた。風況要因と地況要因を組み合わせたモデル構築は,広域的尾根度500m,標高,四分位範囲,年間日射係数,広域的尾根度100mが最適モデルの説明変数として選ばれたが,選ばれた地況要因は北演と日田で異なった。最適モデルでの被害の予測は,全体精度が65.4~75.8%であった。 (3)については,近藤の霧島のモミを対象とした研究(2007)では,有意な働きが認められたが,同地域のアカマツを対象とした研究(石川2011)では,その働きは充分には認められなかった。本研究を通して、風研究の森林現場への応用にはまだ多くの課題が残されていることが判明したので、今後も引き続き研究を進めていく予定である。
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