植物の環境応答を利用した先端的防除技術の開発に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20658059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Agricultural environmental engineering
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
渋谷 俊夫 Osaka Prefecture University, 生命環境科学研究科, 准教授 (50316014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 規央 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教 (70305655)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | タバココナジラミ / キュウリ / 選好性 / R:FR / 光質 / 苗生産 / 蛍光灯 / 生物環境調節 / 昆虫生態学 |
Research Abstract |
害虫の行動は葉の形態に大きく影響を受ける.植物の葉の形態は遠赤色光に対する赤色光の比率(R:FR)によって変化することから,育苗時の光質を制御することで害虫が寄生しにくい苗を育成することができる可能性がある.そこで,光質の異なる光源で植物を育成し,それらに寄生するタバココナジラミ(以下,コナジラミ)成虫の個体数を比較することで,育苗時の光質がコナジラミの選好性に及ぼす影響を調べた.キュウリを子葉展開後から3波長型白色蛍光灯(FL),またはメタルハライドランプ(ML)照射下で育苗した.光合成有効光量子束密度は350μmol m^-2 s^-1とした(明期12h).R:FRはFLで7.0, MLで1.2であった.MLは太陽光(R:FRは1.2)に近い分光スペクトル分布を示した,育苗終了時に,FL区およびML区の苗を1組とし,第1本葉以外の葉と芽を切除して透明容器内に設置した.容器内にコナジラミの成虫約100個体を放飼し,24時間後に両試験区の苗に寄生したコナジラミの個体数を数えた,コナジラミの寄生個体数はFL区の苗の第1本葉においてML区よりも少なく,放飼したコナジラミの約36%がFL区の苗に,64%がML区の苗に寄生した.FL区の苗の第1本葉はML区よりもクロロフィル含量が高く,比葉面積が小さかったことから,これらの葉の特徴がコナジラミの選好性に影響した可能性がある.これらのことから,高R:FRの蛍光灯で育苗することでコナジラミが寄生しにくい苗を育成できることが明らかになった.育苗時の光質を制御することによって定植直後の病虫害を軽減することができれば,農業生産過程での農薬使用量および散布回数を減らすことができるなど,苗利用者のメリットは大きいと考えられる.
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)