RNA新大陸で発見されたRNAiサーモメーターによる熱・生命システム制御系の開発
Project/Area Number |
20658079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied molecular and cellular biology
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
斎藤 靖史 Iwate University, 農学部, 准教授 (70287100)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2008: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ノンコーディングRNA / RNAi / ta-siRNA / 温度センサー / ダイサー / DCL / ロバスト性 / siRNA / 植物 / ストレス / 発現制御 / 温度 |
Research Abstract |
一定の環境条件下で栽培されるモデル植物とは異なり、野外で生育する植物は環境温度変動に曝されながらも生命活動を営んでいる。よって植物は環境温度変動に対応できる遺伝子発現制御系を持っていると考えられる。我々は、植物ゲノムにコードされる内在性siRNAの1種であるTAS1 tasiRNA量が低温により減少し、これとともにTAS1 tasiRNAターゲットmRNAの発現が上昇することを見いだした。tasiRNA産生に関わるDicer-like enzyme4の変異体(dcl4-2)におけるTAS1 tasiRNAターゲットmRNAの低温における発現を調べた結果、野生型植物とは異なり、低温処理によっても発現上昇しない遺伝子が存在した。このターゲットmRNAのTAS1 tasiRNAによる切断は低温によって減少していたことから、この遺伝子はTAS1 tasiRNAを介して低温における発現誘導がおこなわれているものと考えられた。一方、dcl4-2変異体においても野生型植物と同様に低温処理によって発現上昇するTAS1 tasiRNAターゲット遺伝子が見つかり、この遺伝子はTAS1 tasiRNAサイレンシング以外の何らかの機構によって低温で発現誘導されているものと考えられた。そこで次に、植物体を24時間低温処理後、室温に戻しさらに24時間培養後、このターゲットmRNAの発現変動について野生型植物とdcl4-2変異体とで比較した。その結果、野生型植物では常温に戻して24時間後、ターゲットmRNA量が低温処理前のレベルまで減少したが、dcl4-2変異体ではmRNAレベルの減少は僅かであった。これらの結果から、TAS1 tasiRNAは、低温を関知して遺伝子発現を誘導するだけではなく、環境温度変動条件下において、低温で発現誘導されたmRNAの常温における速やかな分解に関する機能を有している可能性が考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)